小学生の習い事費用は、「世帯の手取り月収の5%以内」に収めるのが、家計に無理のない目安です。
「周りと比べて多いのか少ないのか」という相談を、保護者からよく受けますが、実はこの質問に対する答えは、世帯収入によって大きく変わります。
この記事では、文部科学省の調査データをもとにした全国平均と、自分の家庭にとっての「適正な予算」を算出する具体的な方法をお伝えします。
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習い事費用の全国平均はいくら?文部科学省データで確認
文部科学省「令和3年度 子供の学習費調査」によると、学校外活動費(習い事・通信教育・学習塾を含む)は世帯年収によって明確な差があります。
| 世帯年収 | 習い事費用(月額目安) | 世帯収入に対する割合 |
|---|---|---|
| 400万円未満 | 5,000円〜10,000円 | 約1.5〜3% |
| 400万〜800万円未満 | 10,000円〜20,000円 | 約2〜3% |
| 800万円以上 | 20,000円〜35,000円 | 約2〜3% |
興味深いのは、年収800万円以上の世帯は400万円未満世帯の約3倍の金額を習い事にかけている一方、世帯収入に対する「割合」自体はそれほど大きく変わらないという点です。
つまり、収入が増えても「習い事にかける比率」は意外と一定に保たれる傾向があります。
習い事の種類別の月謝相場も参考までに見ておきましょう。
| 習い事の種類 | 月謝の平均 | その他費用 |
|---|---|---|
| 英会話教室 | 8,761円 | 入会金1〜1.2万円・教材費年2万円程度 |
| 習字教室 | 3,451円 | 教材費が別途必要な場合あり |
| 水泳(スイミング) | 6,000〜8,000円 | スイミングキャップ等の用具代 |
| ピアノ | 6,000〜10,000円 | 発表会費・楽器代は別途 |
適正な予算はどう決める?世帯収入から算出する方法
専門家の見解では、習い事費用の目安として「世帯の手取り月収の5%以内」「年収の2〜3%以内」など、複数の基準が示されています。
いずれも考え方は同じで、生活費・貯蓄を確保したうえで、無理のない範囲に収めるという発想です。
具体的な算出方法は以下の手順です。
- STEP1:世帯の手取り月収を確認する
- STEP2:手取り月収×5%を計算する(これが習い事に使える上限の目安)
- STEP3:子どもの人数で割る(兄弟がいる場合は1人あたりの予算になる)
- STEP4:月謝以外の費用(発表会・道具代・送迎費)も年間で見積もっておく
例えば、世帯の手取り月収が40万円の家庭であれば、習い事に使える予算は月2万円が目安です。
子どもが2人いる場合は1人あたり1万円ということになります。
| 世帯の手取り月収 | 習い事予算(月収の5%) | 子ども2人の場合(1人あたり) |
|---|---|---|
| 30万円 | 15,000円 | 7,500円 |
| 40万円 | 20,000円 | 10,000円 |
| 50万円 | 25,000円 | 12,500円 |
| 60万円 | 30,000円 | 15,000円 |
月謝だけで予算を組んでしまうと、発表会・合宿・道具代などの「臨時費用」で予算が崩れることがあります。月謝より少し多めに予算を立てて、その差額を「習い事専用の予備費」としてプールしておくと、家計が安定します。
学童・塾を運営してきた立場から見た、費用感のリアル
運営現場で保護者と接していると、「予算を決めずに始めて、後から苦しくなる」家庭が一定数います。
最初の1つは予算内でも、子どもが「他のもやりたい」と言い出した時に、当初の計画が崩れるパターンです。
このパターンを避けるために、入会前に「習い事専用の予算枠」を家庭内で決めておくことを強くすすめます。
「この枠の中でやりくりする」というルールがあれば、新しい習い事を追加するときに「今ある習い事のどれかを見直す」という建設的な判断ができるようになります。
複数の家庭を見てきた中で、「予算内でやりくりできている家庭」に共通しているのは、習い事を増やす前に必ず「今の予算枠にどれだけ余裕があるか」を確認している点です。子どものやりたい気持ちを大切にしながらも、家計のルールを最初に決めておくことが、後悔しない習い事選びの土台になります。
予算がオーバーしているときの3つの対処法
計算してみて予算をオーバーしている場合、以下の対処法を検討してください。
①習い事の数を減らす
最も直接的な対処法です。
子どもに「どれが一番好き?」と聞き、優先順位をつけてもらうことで、納得感を持って減らすことができます。

②月謝の安い教室・形式に変更する
同じ習い事でも、教室によって月謝は大きく異なります。
個別指導から少人数制・グループ制への変更、対面からオンラインへの切り替えなど、形式を変えることで費用を抑えられる場合があります。
③自治体・地域の無料・低価格サービスを活用する
地域のスポーツクラブ、公民館の文化教室、放課後子ども教室など、費用を抑えながら同じ目的を果たせるサービスが地域にはあります。
すべてを民間の習い事で揃える必要はありません。
民間の習い事ですべてを揃える必要はありません。自治体や地域には、費用を抑えながら同じような体験ができるサービスが意外と多く存在します。東京都新宿区を例に、実際にどんな選択肢があるかを見てみましょう。
新宿区の場合、区内のスポーツセンター(新宿スポーツセンター・大久保運動場など)で、子ども向けの水泳教室・体操教室・卓球教室が、民間のスイミングスクールが安く開催されています。区民であれば誰でも申し込めるケースが多く、抽選制の人気講座もありますが、月数百円〜数千円程度で受講できる教室も少なくありません。
例えば、西新宿カルチャープラザでは、子ども向け将棋教室が月4,950円で受講可能(1回90分×月2回)です。
学童・習い事教室を運営している立場から言うと、「全部を民間サービスで揃えなければいけない」という思い込みが、保護者の予算オーバーを招く一番の原因になっています。地域のサービスで足りる部分は地域で済ませ、専門性が必要な部分(楽器・専門競技など)だけ民間の習い事にお金をかける、という「使い分け」の発想が、家計にも子どもの体験の幅にもプラスになります。
よくある質問
まとめ
習い事費用の適正額は、世帯の手取り月収の5%以内、または年収の2〜3%以内が目安です。
全国平均だけを見るのではなく、自分の家庭の収入に合わせて予算を算出することが、後悔しない習い事選びの第一歩です。
月謝だけでなく、入会金・道具代・発表会費まで含めた年間の総額で考えること、そして予算枠を家庭内で先に決めておくことが、後から「予算オーバーで苦しくなる」事態を防ぐ最も確実な方法です。

